恋愛依存症
回避依存

「回避依存」の特徴には、恋人との親密な関係を避けるというもがあります。愛情に満ちた心休まる温かい関係を、意図的・非意図的に避けてしまうのです。回避依存を理解するためには、「壁」を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。私たちは、自分と他の人との間に、心理的な境界線である心の壁をつくっています。壁には個人差があり、高いものや低いもの、硬いものや柔らかいものと、人それぞれで異なります。私たちは普段、壁の高さや硬さをうまく調整することで人間関係を進めていきます。ところが、回避依存症の場合、その壁は、あまりに高くあまりに硬いのです。反対に、共依存の場合は、その壁はあまりにもろく、自分とパートナーとの『境界線』が曖昧になってしまっているのが特徴です。回避依存症の人も共依存症の人も、適度な「壁」をつくることができずに辛い思いをしてしまうという意味では、共通していると言うことができるでしょう。


回避依存の特徴

  
回避依存の4タイプ

回避依存は、以下の4つのタイプに分けることができます。

1.独裁者(支配か服従かの権力関係)
2.搾取者(損か得かの利害関係)
3.ナルシスト(相手をものとして扱う関係)
4.脱走者(あくまで他人としてパートナーと結びつく関係)

これらの傾向は、恋愛だけではなく、家族や友人などあらゆる人間関係の中に現れます。


  
独裁者

1.何でも自分の思いどおりにいかないと気が済まない
2.「ああしろ、こうしろ」と、命令口調が多い(「こうした方がいい」というアドバイス形になっていることもある)
3.彼(彼女)の意見や行動を少しでも否定するようなことを言うと、急に怒ったり黙り込んだりする
4.「お前はダメな人間だ」というような意味の発言をすることが多い
5.あなたの行動に、常に監視の目を光らせている
6.あなたが何か新しいことを始めようとすると、「やめた方がいいよ」と、行動を起こさせまいとする
7.「オレ(私)の言うことを聞かないと、後で大変なことになるからね」というような意味の発言をすることが多い
8.身体的暴力、または精神的暴力(人格を否定するような発言など)をすることがある
9.何に対しても、どんなときでも、自分が正しいと思っているようだ
10.何をするにも相手の「許可」が必要だ

 この項目に多く当てはまる人は、常に「正しいのは自分、間違っているのは相手」と信じ込んでいます。独裁者タイプには2つの暴力的な言動があります。1つは「身体的暴力」、もう1つは「精神的暴力」です。とにかく、相手を自分の思いどおりにコントロールしなくては気が済まないのです。

  
搾取者

1.人にはあれこれと要求してくるのに、こちらからの要求には耳を貸そうとしない
2.頼み事をしてくるときだけは、急に優しくなる
3.(あなた自身について)「自分は利用されているだけなのかも…」と不安に思うことがある
4.要求を受け入れたときの優しさと、断わったときの怒りや不機嫌さのギャップが、驚くほど大きい
5.こちらが要求を受け入れるまで、しつこくねちねちと責め続けてくる
6.「子どもっぽいわがままさ」が強いと感じる

 この項目に多く当てはまる人は、「利用すること」に最大の価値を置きます。こちらがどんなに頑張って要求を受け入れたとしても、決して終わることはなく、次々とまた新しい要求が突きつけられます。しかも、要求を受け入れた見返りというものはほとんどありません。「こちら側が要求をのむのが当然」という形になってしまうのです。

  
ナルシスト

1.「少年っぽい」ところがある
2.ちょっとしたきっかけで、手の平を返したように冷たくなることがある
3.意識的なのか無意識なのかは分からないが、人の気持ちを傷つけるようなことを平気で言う
4.「理想」へのこだわりが強いように見える
5.ナイーブである
6.人の話を聞くよりも、自分の話をすることを好む
7.「自分は特別な人間だ」というような発言をすることが多い
8.「彼(彼女)の好み」から少しでもはずれたことをすると、不満を言ったり不機嫌になったりする
9.自分を褒めてくれる人には甘いが、少しでも批判したり、欠点を指摘したりする人には、徹底的に攻撃しようとする

この項目に多く当てはまる人は、「自分は特別な人間である」という感覚が先に立ち、「相手も同様に特別な存在である」ということを認めることができません。物事が自分中心に進まないと気が済まないのです。
どんな人でも、恋愛には理想がありますが、このタイプは、その理想が非常に高く、柔軟性に欠けてしまっているのが特徴です。また、相手が自分の思ったとおりにしないと、激しく非難する傾向もあるため、時に、自分を捨ててでも相手に合わせなくてはならなくなります。その結果、強迫観念や苦労ばかりを背負わされてしまうことになってしまいます。

  
脱走者

1.「束縛」を過剰に嫌がる
2.何かを要求すると、「わがままだ」というような反応が返ってくることが多い
3.「自由でいたい」という意味の発言をすることが多い
4.普段(あなたと一緒ではないとき)どんなことをしているかを教えたがらない
5.1人でいることが好きなようだ
6.あなたが近づこうとすればするほど、相手が遠くに離れていってしまうような気がする
7.深刻な問題や悩みについて話そうとすると、話題を変えようとしたり、「面倒だ」というそぶりを見せたり、嫌な顔をしたりする

この項目に多く当てはまる人は、自由の求め方や束縛の嫌い方が人一倍強い傾向があります。束縛や自由の喪失を過剰に恐れており、あらゆるものが「喪失の証拠」に思えてしまうのです。「明日会わない?」と言われるだけでも、自由がなくなる気がしてしまうのです。そのため、突然別れを言い出されることも多く見られます。


回復方法

もし、あなたが回避依存症で、そこから抜け出したいと考えているなら、最も大切なのは、「行動を変えてみる」ということです。口で言うのは簡単でも、実際に行動に移すのはとても大変です。だからこそ、行動を変えていく必要があるのです。まずは、このことを意識するところから始めてみてみましょう。時間はかかりますが、焦らず少しずつ変えていきましょう。

もし、あなたが回避依存症者のパートナーだった場合、次の5項目について考えてみてください。そして、別れるのか、このまま我慢するのか、改善のために努力をするのかを決断されてください。

  
1.いつものパターンでいいのか?

パートナーと、いつも同じことを繰り返していませんか?「今、自分は本当に幸せ?」と心に問いかけてみてください。答えは簡単には出せないかもしれませんが、このことを考えるときに最も大切なのは、「いつかきっと変わってくれる」とか、「たいした問題じゃない」と、合理化をしてしまわないことです。辛いかもしれませんが、現実を見つめて自分の気持ちに正直になってみましょう。


  
2.どうして惹きつけられるのか?

「どうして自分が辛くなるような相手を選んでしまうのか…」そこには必ず理由があります。どうして惹きつけられるのかを、ゆっくり考えてみましょう。ここでは、自分のことをしっかりと認識し、自分自身の進みたい道を選ぶことが大切です。あなたは、あなた自分の意志で今の状況にいます。逆を言うと、あなたの意志さえあれば、いつでも環境を変えることができるのです。


  
3.まず変わるべきなのは、「相手」なのか「自分」なのか?

「相手さえ変わってくれれば」「相手のここが治れば」といって、その人にすがりつこうとするのは、非常にきつい言い方をすると、「言い訳」でしかありません。すがりつきに気づけたら、自分にも問題の責任の一端があるということが認識されるでしょう。
決してあなたが悪いと言っているわけではありません。ただ、相手の思いどおりに動いてしまうことで、相手も自分の行動に疑問を持たずに済んでしまうのです。「あなたの行動パターンが変えれば、2人の関係も変わっていく」ということを意識してみてください。


  
4.自分を苦しめたいのか、それとも幸せにしたいのか?

自分をいじめているとしか思えない状況に身を置いて、辛い恋愛をしている人は、意外と多いものです。でも、人はみな幸せになっていいのです。怒鳴り散らさないでほしい、恐怖に怯えたくない、搾取されたくない、行動を規制されたくない、優しく愛情を持って接してもらいたいと願うのは、人として幸せに暮らすための当然の権利です。あなたは、このような当たり前の権利を、自ら放棄してはいないでしょうか。


  
5.どこまでなら許せるか?

相手に対して、どこまでなら許せるかという具体的な基準と、それができなかったときの対応を、明確に設定しましょう。そして、設定以上に重要なのが、いざそうなったときには、必ず実行に移すということです。
基準が守れず、許容範囲を超えてしまった場合は、一度別れるとか、この期間だけは距離を置くなど、2人のルールを決め、実際にそれを守るようにしましょう。「どうせ口だけだ」と思われないようにするためにも、明確な制限を定めてくことで、きちんと行動に移すことができます。これができれば、きっと今よりも状態が悪化することはないでしょう。


もし、あなたが共依存的傾向を持っていた場合、ここで1つ注意点があります。
共依存の傾向にある人は、つい、自分の力で相手を変えようとしてしまいがちです。しかし、必要以上に同情してしまうと、せっかくの改善策が全く意味のないものになってしまい、相手も自分も、同じ苦しみを繰り返すことになりかねません。「相手を変えるのは相手自身にしかできないのだ」ということを忘れないようにし、常に「境界線」を意識するようにしてみてください。

参考資料

共依存についての内容や、上記の「境界線」については、ACその他のカテゴリーと、恋愛依存症のカテゴリーに掲載がございます。詳しくはそちらをご参照ください。
≫ACの『共依存症』ページへ
≫恋愛依存症の『共依存』ページへ

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