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共依存

 「共依存」というのは、自分のことより相手の世話にのめり込んでしまい、人の分まで責任をとってしまう人たちのことを言います。そのため、結果的に相手をますます無責任にしてしまうのです。さまざまな依存症にはまり込んでしまい、その依存症から断ち切れなくなっている人たちの周りには、必ずと言っていいほど、それを支える共依存症の人たちがいると言われています。

共依存症の人たちは、実は、相手のコントロールに夢中になり、コントロールをすることがやめられなくなっているため、まるで病んでいるような様相を示すことがあります。そのような背景もあり、依存者を必死で支える人のことを共依存症と表現することもあります。
また、最近では、依存者の問題にのめり込んでいる人のことだけでなく、人の世話に忙しいあまり、自分の世話をおろそかにしてしまう人たちのことも、幅広く共依存と言うようになってきています。

日本には、共依存的な生き方を美徳とするような社会・文化があります。自分を大切にすると「自分勝手だ」「わがままだ」などと言われて、「自分を犠牲にしてでも周りの人の世話をするように」と育てられた、そんな経験はなかったでしょうか。

機能不全な家庭で育ち、子どもの頃から家族の調整役を担ってきた人たち(特に女性に多いと言われています)は、共依存的な傾向が強調されやすいと言われています。パートナーに虐待さてもずっと耐え続けている人たちも、共依存に陥っていないかを振り返ってみる必要があるでしょう。
共依存というのは、相手のために自分を見失ってしまう、特殊な人間関係なのです。

 

共依存の特徴について

以下に、共依存症者の言動・思考・人間関係の主な特徴をあげてみます。
あなたに当てはまるものはあるでしょうか?

1.自らを犠牲にしてまで、相手を助けたり世話をしたりする
 自分よりも相手の方が重要だと思い込んでしまいます。自分が相手にとって必要な存在であることを要求し、「自分がいなければこの人はダメになってしまう」と信じて疑いません。また、無意識のうちに、相手から感謝されることを期待しているため、何らかの「お返し」がないことに不満を募らせることもあります。

2.相手の行動や感情、考え方、状況や結果を必死で変えようとする
 なだめたり、怒ったり、頼んだり、罪の意識を植えつけたり、アドバイスしたり、丸め込んだり、おせっかいを焼いたりと、とにかく相手を変えようと必死に努力します。また、本来であれば、こちらは立ち入る必要のない相手の責任も「自分がとらなくては」と考えます。しかし、その結果、自分の行動がどのような事態を招いているかについては考えまないのです。

3.問題が起こっている状況や、危険な人間関係に身を置いてしまう
 他人中心の不安定な生活をし、常にハラハラしたり、心配したりしながら生きていないと、大きな空虚感に襲われ、どうしたらいいのか分からなくなってしまいます。そのため、決して信頼すべきではない危険な相手に惹かれてしまったりもします。

4.依存心が強く、「1人でやっていける」という自信が持てない
 自分に自信がないため、常に「見捨てられ不安」に襲われます。1人でいると不安になってしまうため、常に誰かを必要としてしまうのです。

5.考え方や視野が狭い
 相手の問題で頭がいっぱいであるため、地域杜会や自然などへの関心が薄くなってしまいます。友だちからも離れ孤立してしまい、ますます「あるのは自分と相手だけ」という狭い世界に引きこもってしまいます。

6.現実や事実を否定・否認する
 相手との問題や物事をありのままに受け入れることができません。そのため、たいしたことではないと思い込もうとしたり、真実を隠して何も問題がないかのように振舞ったりします。また、何か不都合なことが起こると、無意識のうちに心の奥深くに押し込んでしまうこともあります。

7.コミュニケーション力が不足している
 言いたいことを適切に伝えたり、必要なものを求めたりすることがなかなかできません。何かを頼まれると、たとえ「ノー」と断りたくても、つい「イエス」と言ってしまうのです。また、いつも相手や第三者の話題が中心になってしまうため、自分を主体にした話ができないことも大きな特徴です。

8.自分と相手との「境界線」をはっきり設けられない
 相手からの、身体的・精心的な侵入を必要以上に許したり、相手の問題に入り込んだりしてしまいます。その人が落ち込んでいるのを見ると、自分も同じように気分が減入ってしまったり、「相手の気分を変えなくては」と、必死に努力したりします。

9.自分の体から出るメッセージに気づけない
 繊細な感情が麻痺してしまっているため、さまざまな感情を適切に表現することができません。また、相手との関係で、「何か変だな」と感じ胸がドキドキしたとしても、その注意警報に着目できず、何度も同じ苦しみを繰り返してしまいます。

10.怒りにまつわる問題を持っている
 怒りをすぐに爆発させるような相手と一緒になることで、「怒り」を「恐れ」にすり替えたり、適切な処理の仕方が分からずに、長い間ため込んできた怒りを、突然フラストレーションとして爆発させたりします。また、自分より弱い人に八つ当たりをしたり、陰で愚痴や悪口を言ったりすることもあります。

11.忍耐強く待つことができない
 相手が何か行動を起こすと、反射的に行動したりせかせかと動き回ったりして、余分な心配をしてしまいます。相手の不全な行動に対して、本来自分には必要のない、相手がするべき我慢はできるのですが、長い目でじっくりプランを立て、その時を静かに待つということができません。

12.罪の意識によく襲われる
 相手に欠点を指摘されると、すぐにそのことを鵜呑みにしてしまいます。「相手に問題があるのは自分が悪いからだ」と思い込み、自分がもう少し努力すれば、もしくは、自分の欠点を直しさえすれば、相手はよくなるだろう、変わるだろう、愛してくれるだろうと必死になります。また、相手を救わないまま離れたりすると、ひどい罪悪感に襲われます。

13.物事を極端に捉え、程々にするということができない
 小さい出来事と大きい出来事の見分けがつかず、どちらに対しても同じように、極端な対応をしてしまいます。黒か白かはっきりしすぎたり、自分が正しくて相手が完全に問違っている、反対に、全部自分のせいだと思い込んだりするため、うまくバランスがとれません。

14.過去の失敗から学ぶことができない
 相手に対して、「憤慨・憐れみ・許し」を交互に繰り返すため、お互いの関係が少しでもよくなると、それまでの激しい憤りや悲しみはすっかり忘れてしまい、相手のいい点だけが思い出されるようになります。こうして、過去に何回も辛い経験をしたにも関わらず、同じ間違いを繰り返してしまうのです。

15.被害者意識にとりつかれる
 相手を救おうとしても当然うまくいかないため、今度は、相手を責める気持ちになってしまいます。たとえ相手を責めたとしても、相手が変わるということはありません。そして最後的には、「あの人のせいで自分はこんなにみじめになったのだ」という被害者意識にとりつかれてしまいます。

16.自分や周りの人に害があるのに、波風を立てまいと四苦八苦する
 相手を喜ばせようとして常に自分を周囲に合わせ、何とかして葛藤を避けようとします。相手が怒らないように、少しでも迷惑に思わないようにと、異常な努力をし、時にはそれを周りの人にも強制したります。

17.愛情としがみつきを取り違える
 「愛するということは、相手との人間関係にのめり込むことであり、胸がドキドキして相手から離れられなくなることだ」と思い込んでいます。これでは、愛ではなくしがみつきになってしまうのですが、本人はそのことに全く気づきません。

18.権威のある人を恐れる
 地位のある人や権威を持つ人、恐そうな人、たとえば先生や上司、警察官や役人、すぐに怒鳴る人などの前に出ると、声も出せなくなるほど過度にビクビクしてしまい、とても小さくなってしまいます。特に、こういった相手から批判されたり認められなかったりすることに非常に強い恐れを感じます。

19.理想論やファンタジー(幻想)、社会の掟にとらわれる
 「相手はこうするべき」「ああするのが当たり前」「こうするのが普通」といった、建前的な理想論や道徳論にとらわれたり、「相手はきっとこうするだろう」「きっとこうなるはずだ」という幻想を抱いたりします。また、「社会がこうだから」「みんながああ言うから」と、社会の掟や周りの人のせいにすることもあります。

20.相手の感情を敏感に察知し、先回りして頭を働かせる
 常に相手の顔色を伺って、すばやく空気感を読みとり、先回りして次にどうしたらいいのかを心配します。また、気を配るのに忙しいため、まさに今、何が起こっているのかということが把握できなかったりします。これらのことも影響して、「今、このとき」の人生を楽しむということができません。

21.つかなくてもいい嘘をつく
 自分に対して正直になれず、出てくる思考や感情を否定したり、疑ったり無視したりすることで、必死にその場を取り繕おうとします。そのために、必要のないときに嘘をついて相手をかばったり、真実を隠そうとしたりもします。

22.自己の確立ができない
 自分の力が信じられず、「誰かに幸せにしてもらいたい」と願っています。人生の目的や、自分はいったい何者なのかがはっきりしないため、なかなか自分を大切にすることができません。自分を肯定し、受け入れることができないため、うまく自己主張をすることができないのです。

 共依存と言っても、本当にさまざまな症状があります。主な特徴は以上のようなものですが、全てに当てはまらなくても、比較的多くの項目に該当していれば、一度、共依存という視点で、自分自身を振り返ってみてください。
 表面的には何の問題もないように見えていてもですが、共依存的な人間関係の蜘蛛の糸に絡まってしまい、苦しんでいる人はたくさんいるのです。家族がうまく機能しないとき、家族の誰かが嗜癖(アディクション)などの問題を抱え続けているとき、そこには必ずと言っていいほど共依存の問題が存在します。
 他の人の問題にばかり目がいっていると、自分の問題に気がつかず、自分への癒しがおろそかになってしまいます。問題を解決するために、自分自身の抱える共依存の問題を、もう一度よく考えてみましょう。きっとあなたの力になるはずです。

 

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