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睡眠障害

 よく眠れない、もしくは一睡もできないという病気を「不眠症」と言います。「人の平均的な睡眠時間は8時間、人生の1/3は布団の中」と教わった人も多いのではないでしょうか。しかし、実際には、5~6時間しか眠らなくても平気な人もいれば、10時間くらい眠らないとダメという人もいます。不眠症では、単に睡眠時間の長さだけではなく、朝目覚めたときの不満感や不快感、1日をとおしての日常生活への支障の度合いなどが問題になります。つまり、「睡眠時間」と「睡眠の質」の2つの要素があるということです。ちなみに、「睡眠の質」とは眠りに対する満足感のことで、「眠りの深さ」と言ってもいいでしょう。

 

不眠症の3つのタイプ

1.入眠障害
 寝つきが悪いという障害です。この型の人は、いったん寝ついてしまえば後はよく眠ることができるので、目覚めも比較的良好です。

2.熟睡障害
 睡眠の途中で何回も目が覚めてしまい、夢が多く、眠った気がしないという障害です。

3.早朝覚醒
 寝つきは比較的よくサッと眠れますが、夜が明けないうちに目が覚めてしまい、その後はなかなか眠り直すことができないという障害です。

 

日常臨床においてよくみられる睡眠障害

1.身体疾患による不眠
 鼻閉、せき、関節痛、腹痛、胃腸障害などによる不眠のことです。

2.精神疾患にともなう不眠
 神経症から来る「不安」による不眠、躁うつ病や精神分裂病にみられる不眠のことです。

3.薬物使用やアルコール依存による不眠
 睡眠薬や安定剤の連用者が急に薬の服用を中止したときに起こる、反跳性の不安・不眠のことです。アルコール依存症の人も例外ではなく、アルコールの急な中断により不眠・不安が現れるケースや、時には、幻覚をともなう意識障害を起こすケースもあります。

4.睡眠時無呼吸症候群
 睡眠中、周期的に呼吸がとまってしまう人がいます。無呼吸状態(10~100秒位持続)が起こると、呼吸が再開する際に一過性の覚醒反応が生じるため、睡眠が中断されてしまいます。不安定な状態が原因となり、不眠に陥ってしまうのです。中でも、10秒以上続く無呼吸が7時間の睡眠中に30回以上起こるものが、「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれているものです。

5.睡眠時ミオクローヌス・脚むずむず症候群
 入眠すると、下肢の筋肉に繰り返し痙攣が起こるというものを「睡眠時ミオクローヌス」と言います。一方、寝ようとして横になると、ふくらはぎの内部にむずむずする不快な感覚が生じ、起きて動かないとこの異常感覚がとまらないというものを「脚むずむず症候群」と言います。

6.概日リズム障害
 入眠覚醒が、社会的に望ましいとされる時間帯に同調できないものを「概日リズム障害」と言います。一般的な睡眠時間に眠ろうとすると、就眠困難という不眠症を引き起こし、一度入眠すると、今度は朝起きられずに仕事や学業に支障をきたしてしまうのです。

7.精神生理性不眠
 上記のような不眠の原因がないにも関わらず、不眠症状が長期間続くという場合は、「精神性不眠」が疑われます。些細なきっかけから、不眠そのものに対して過度の不安とこだわりが生じ、今度はそれが原因で眠れなくなってしまうのです。尚、それらの心配事が解決した後も不眠が続く人もいます。神経質・几帳面・完璧主義な人に多いと言われていますが、「今夜こそは何とか早く眠ろう」と努力すればするほど、緊張感が高まり、目が冴えてしまって、より一層眠れなくなってしまいます。「今夜も眠れないのではないか」という恐怖心があるため、不眠症をますます悪化させてしまうのです。一般的に、不眠症とときには、このタイプのことを指すことが多いようです。

 

睡眠障害からの回復

まずは、日常生活で工夫できるところから始めてみましょう。

・寝室や寝具を工夫して眠りやすい環境をつくる
・日中の緊張や興奮を鎮めるため適当な食事をする
・入眠前に、音楽鑑賞や軽い読書、入浴などをする
・濃いお茶やコーヒーなどを控える

 また、場合によっては、「眠るまい」と努力するくらいの開き直りが効を奏することもあります。それでもどうしても眠れないときは、医師に相談してみましょう。治療法は原因によってさまざまですが、一般的には、睡眠薬による薬物療法が用いられます。睡眠薬は、医師の指示に従って、用量、服薬時間、注意事項を必ず守って使用してください。