アダルトチルドレン相談室

メインビジュアル

妄想性パーソナリティ障害

 根拠もなく、他人が自分に対し悪意をもっているという不信や疑念をもってしまうのが特徴です。特定の人が信用できないというのではなく、自分にかかわりをもとうとする相手が誰であっても、疑念の目を向けます。常に自分が正しくて、他人は自分をだますか攻撃してくるという考えを抱いています。他人に対する警戒心が高いため、つねに緊張状態にあり他人の意見に耳を貸すことができません。不安や緊張を持ち続けていることから、精神的に疲れていき、不安障害やうつ病になることもあります。他にも他人に対する不信感が強すぎて、妄想性障害や妄想型統合失調症へと進展する可能性もあります。
 妄想性パーソナリティ障害の人は、周囲の人を信頼できないため、良好な人間関係を築きにくく、職場の同僚などともトラブルを起こしやすいので、仕事の進行に支障をきたす場合もあります。
 また、自分の歪んだ考え方や判断を他人から批判されると、過敏に反応し、自らの正当性をむきになって主張しようとし、相手をすごく恨んだり、激しく攻撃したりします。いったん恨みをもった相手に対しては、容易に寛大な気持ちになることができないのも、妄想性パーソナリティ障害の特徴です。
 妄想性パーソナリティ障害は、物事を理路整然と考えることが難しく、客観的な根拠を認められず、他人をやみくもに疑ってしまう障害です。他人を信頼する力が養われない原因の1つに、赤ちゃんの頃に母子間で基本的な信頼感が培われなかったことがあるようです。赤ちゃんの要求を親が察知し、すぐに満たしてあげることができないと、人に対する信頼感は養われません。
 妄想は精神的に余裕がなくなると起こりやすくなります。他のパーソナリティ障害を抱えている人が、無理をしたために妄想性パーソナリティ障害を合併することがあります。対人関係が苦手なスキゾイド・パーソナリティ障害の人が無理をして社交的に振舞ったり、自己愛性パーソナリティ障害の人がプライドを傷つけられたりすると、妄想性パーソナリティ障害が発症します。

 

妄想性パーソナリティ障害の回復

 まずは、自分が客観的に物事を見れていないことに気づく必要があります。そのことに気づけば、あとはその歪みを少しずつ認識して変えていくことが大切です。妄想性パーソナリティ障害の人は、疲れているときに妄想を起こしやすいので、できるだけ普段の生活から心身のリラックスを心がけるようにしてください。自分のなりのストレス解消法を見つけると良いと思います。また、人間関係に問題が起きないようにコミュニケーションを高めるために、ソーシャルスキルトレーニングを受けることができる精神科のデイケアや、精神保健福祉センター、保健センター、地域活動支援センターなどに問い合わせて参加されるのもひとつの手です。

 

回復のために周りの人ができること

 妄想性パーソナリティ障害の人は、他人に批判されたり、否定されたりすることに敏感で、さらに妄想や思い込みが激しくなります。その一方で、無力感や自分の弱さにも多少なりとも気づいているので、助けを求めているところがあります。なので、妄想の部分を責めるのではなく、助けを求めている部分に注目して、本人が物事を客観的にとらえることができるように支えることが大切です。
 妄想を減らすには、動揺させたり、緊張させたりしないことが大切です。妄想性パーソナリティ障害の人は、常に妄想しているわけではなく、仕事などが多忙になったりするなかで、人間関係がうまく運ばないときに妄想を生じやすくなるといわれています。こうしたストレスを受けやすい状況で、精神的な緊張が高まり、不安定になってしまうのです。なので、無理のない人間関係を作れるように支えて、いつも心にゆとりをもたせてあげることが大切です。