アダルトチルドレン相談室

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回避性パーソナリティ障害

 他人の批判・評価を恐れて、社会参加ができないのが特徴です。これは「人前で恥をかきたくない」、「嫌われたり、軽蔑されるのが怖い」という気持ちが極端に強く、行動を起こせなくなってしまっています。しかし、本当は社会参加したいという欲求も強いので、絶対に拒絶されないという安心感のある相手を選んで親密な関係を結びます。他人の心理・言動に過敏なので、他者や社会と距離をおき、自分が傷つかないように防衛しています。
 回避性パーソナリティ障害は、日本人には比較的多く見られるパーソナリティの一つです。世間体を気にする日本人は、回避性パーソナリティと重なる部分が多いです。逆に言うと、このパーソナリティは日本人に受け入れられやすいので、他の国に比べれば障害となることは少ないようです。ただし、社会生活に支障が出るようになると何らかの治療をされることをお勧めします。「ひきこもり」や「不登校」の中には回避性パーソナリティ障害の可能性も考えられます。
 回避性パーソナリティ障害の人は、プライドが傷つきやすかったり、自信を持てなかったりします。それは、子供の頃に親の期待を一身に背負い、その期待に応えようとして果たす事ができなかったという思いが影響するとされています。なので、成人後も親の価値観や考え方に支配されていて苦しんでいます。また、それだけ親に依存しているともいえます。そして、その親から与えられた「理想の自己」と現在の自己を比較して、自分は駄目な人間だという劣等意識をもっています。そういう思いが、人間関係もうまくいかない原因となりやすいです。

 

回避性パーソナリティ障害の回復

 少しずつでもいいので、行動を起こしてみることをお勧めします。何かやってみたいなと思うことがあれば、それに参加してみてください。参加した結果、うまくいかなかったとしても、その参加したこと自体を褒めてあげてください。もちろん、うまくいった場合は、それが自信に繋がると思います。そういう積み重ねが回復へと繋がると思います。

 

回復のために周りの人ができること

 回避性パーソナリティ障害の人たちは、「理想的な自己」と「現実の自己」のギャップに悩んでいることを理解しておく必要があります。無意識に他人に依存するので、どうしたらよいか示して欲しいという要求が強い傾向にあります。ですが、ハウツーを示すのではなく、本人が何をやりたいのかを自分で思い描けるように手助けしていくことです。そして、気分で行動するのではなく、目的で行動するように考え方を変えていく必要があります。また、何かを実行できたときは一緒に喜んでくれる人がいると、そういう体験が自信につながっていきます。
 対人関係において、回避性パーソナリティ障害の人は「人嫌い」ではなく、心の底では人と関わりたいと思っています。ですが、過度な不安や緊張が先行して、失敗してしまうことが多いです。
相手から誘われたときの対応や、ものを頼むときの方法などをわかっていないので、その辺りを訓練していくことで克服することも可能です。
 とにかく、回避性パーソナリティ障害の方には成功体験が必要です。何かに挑戦してそれがうまくいけば、本人にとって大きな財産となります。そういうことを繰り返していくことで、「理想的な自己」と「劣等的な自己」の間に「等身大の自己」が出てくるようになるのです。なので、本人が何かに挑戦して成功したときは、おおいに褒めてください。そして、失敗したときは否定的なことは言わずに、挑戦したことが大きな進歩だと伝えて、本人の意欲を引き出すことが大切です。